令和2年10月 寒露号<2020年ノーベル賞・医学生理学賞に関連、私の思い出>

私のサラリーマン人生で後半の1983年から関係した一番の分野が「ウイルス性肝炎」の分野でした。その当時はウイルス性肝炎に関して、A型、B型、NANB型(AB以外の疾患)という時代で、まだC型の名前は使われておらず、免疫医学研究分野での世界レベルでの競争の時代と、振り帰ってみれば思い出されます。
個人的にはこの分野に入るまでは石油化学プラント、研究分析及び医療分野の先端機器の輸入、最後に筑波の研究所が始まり、地下の陽子加速器を納め設置したのが思い出でした。
これらウイルス性肝炎の中から、今回ノーベル賞に評価されたC型肝炎関連についての思い出を書きたいと思います。
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ノーベル医学生理学賞の受賞者(10月6日朝日新聞の記事より)

B型ウイルス性肝炎についてはその診断試薬の製造販売をメインのビジネスとしながら、マウスを使った関連抗体の作成や、試験の毎日でしたが、日本での研究、研究助成に加えて海外、アジア、アフリカなどへの助成も進めておりました。
この中で日本・東京のウイルス性肝炎の研究チームがNANB型について、その抗体分析、検出についての研究発表、試薬を開発したのが、GOR抗体として発表、製品化も進んでおりました・・・
その時代の一区切りになったのが、1990年のアメリカ・ルイジアナ州ニューオーリンズ市での学会発表でHCV型肝炎ウイルスの研究発表があり、その学会に会社、研究グループの中から私一人が出席して、情報を日本に送る役目をしておりました。私自身は研究担当ではないので、得られた情報を日本に送ることが仕事で、且つ役目としては当時の北京医科大学のこの分野のトップの女医先生、中国から参加の10数名のリーダーでしたが、修了後にNY市マンハッタンをご案内して楽しんで頂きました。更にNY滞在中に知り合いの訃報が入り、コネチカット州に回り、ご冥福を祈るための桜の樹を庭に植樹しました。偶然の重なりの思い出がたくさんの訪米でした。(2014年ボストンマラソンの帰りにより、桜の花を楽しんだ思い出も・・・)

このとき、1990年の発表された研究の1つが 今回のノーベル賞の対象となり、その後10数年近く経ってHCVの診断薬、治療薬が出来たのでした。


更にこの分野に関してのイベント等、今年9~10月にかけての思い出が重なり、
今回取り上げることの大きな原因でもありました。

その一つが、9月12日JT生命誌研究館主催のオンライン講演会です。
「生命誌から生命科学の明日を拓く」のテーマで、京都大学研究者でiPS細胞関連でノーベル賞をとった山中伸弥先生が講師で、主催者の永田和宏館長と中村桂子名誉館長が対談を兼ねてZOOMとYouチューブオンラインでお話しされ、本来なら、大阪高槻に出かけてお話をお聞きしたかったのですが、Youチューブはオンラインですが、質疑はZOOMのみ、且つ高校生の勉強を兼ねており、60余の高校が参加、教育の目的も兼ねており、私は後からメールでアンケート形式で感想文を送りましたが、この中で今回のテーマ・・・C型肝炎が出てきて驚き、振り返って2重の驚きでした。
②-1 山中伸弥先生.JPG
②-2 中村・山中・永田先生.JPG
オンライン講演会の写真

アンケート<生命誌から生命科学の明日を拓く>をお聞きして
「生命誌から生命科学の明日を拓く」
中村桂子先生、山中伸弥先生、永田和宏館長先生のお話をゆっくり、じっくり聞かせていただきました。
アンケート、とは言えませんが、一言山中先生のお話をお聞きしているときに、現役時代の昔を思い出し、
是非私の経験、思い出を山中先生、中村桂子先生にお聞きいただきたいと思い、メモします。
永田先生にはまだお会いしておりませんが、短歌の分野でも大変尊敬しております。
アンケートメモ:
山中先生のお話しの中で、御父上が1988年(?)にお亡くなりになり、C型肝炎が原因とお聞きしました。
私は当時(株)特殊免疫研究所に所属しており、A,B型肝炎などの研究、診断試薬などの製造販売をしており、
まだC型はNANBと呼ばれている時代でした。研究グループとしてはアメリカはじめ世界と競争しており、
1990年にアメリカのニューオールリンズで学会があり、アメリカチームからHCVとしての研究発表があり、
日本チームとしてGOR型として研究論文を出しておりましたが、臨床的な面から、残念ながら負けました。
私自身は研究員ではなく、アジアの先生方のお世話も含めてマネージャー的に出張して、日本にファックスで
状況を送信していたと思います。
結果として、C型肝炎の研究には負けて、事前に知っていた人達は、その発表会に参加しなかったことを
後から知りました。関係していた研究グループは世界で初めて成功・実施した東京都母子間感染防御を成功した
チームに関係し、1995年に宮川庚子記念ウイルス肝炎研究財団の設置と国内とアジアへの研究助成で、
まだ事業は継続しております。
以上、個人的な経験・想い出の範囲ですが、先生方にお聞きいただきたく、メモをお送りいたします。

レクチャー修了後、高校生の質疑になり、アンケート送信の通信が上手くゆきませんので、このアドレスで
送らせていただきます。因みに昨年のサマースクールには参加した、池田春寿です。
以上、よろしくお願いいたします。

このアンケートに今回のブログのポイントになるC型肝炎のことが、山中先生から追加的、3先生の話し合いの中に出てきたことが驚きと、時期的には残念なことでした。
即ち、山中先生の御父上が1988年にC型肝炎でお亡くなりになったことです。この話を聞き、一瞬にして上記の事柄を思い出し、先生に今更ながら、残念な時間差・・・治療薬の開発まで10年近く微妙なタイミングではありました。
1988年はまだNANBと言われていた年で、翌年にHCV型ウイルスの研究レポートが発表されて、1990年に世界学会で発表されて、更に診断、治療薬が有効になるまで、約10数年早かったと言うことでした。
 
上記の講演会に続いて、翌日13日には第25回肝臓病医療講演会が表参道であり、参加してきました。
主催: 公益財団 宮川庚子記念研究財団、
後援: 東京都福祉保健局
協賛: 東京肝臓友の会
講演は武蔵野赤十字病院の院長 泉 並木先生
タイトル: B型肝炎治療の留意点と肝癌の薬物治療の進歩
でした。
③ 第25回肝臓病医療講演会.JPG

本財団法人の設立時から事務局長として関与してきました私の経験、思い出もあり、新型コロナの影響もあり、直接に参加お聞きする人数は制限されておりましたが、25年の活動の経過をいろいろ思い出しながらのイベントでした。

今回追加でこの分野の日本チームの活躍についても触れたいと思います。
(1)B型肝炎母児間感染防御について
   詳しい事実は省略して、東京のチームが世界で初めて、感染している母親
   から生まれてくる子供への感染を防ぐシステムを開発、実行したことはそ
   の分野では知られております。そして私もその後の活動には参加したので
   すが、その少し前に日本の医学分野の最高賞と言われる「ベルツ賞」を貰
   っていることも、思い出の1つでした。
(2)MMRFウイルス性肝炎研究財団
   1995年創立のこの分野の東京都財団法人に関係して、初代事務局長とし
   て、首都圏とアジアアフリカなどの新興国への技術援助・・・を財団の活
   動目的に設立され、そのうちインドネシアに協力事業で「B型肝炎の診断
   試薬の製造販売」の許可を得るまで協力したことがありました。
   インドネシアWNT州・Hepatitis Laboratoryという名称ですが、この
   時は金銭の助成は一切なしで、技術協力、その中には機械設備のメインテ
   ナンス技術研修まで含めておりました。
   
   この件には後日談がありまして、後進国に対するB型肝炎の母児間感染防
   御の対象国として、当初はケニヤなどが最初の候補に選ばれていたのです
   が、インドネシアWNT州の一部が最初に選ばれたと聞きました。

   このことで、それまではその地域のどこで、何時赤ちゃんが生まれたかも
   余り知られていなかった社会環境が、すっかり変わったと後日お聞きして
   おります。

しかし、この地域における母児間感染防御の活動助成は、日本ではなく、カナダ、オーストラリアなどのNPO活動・・・とお聞きしておりますが、当初の予定を変えて、インドネシア、WNT州に実施場所を移してくれたことには心から喜びを感じた、思い出の活動、社会変革・・・でした。

次のPTPL交流会・日程は以下参照ください。
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場所: サン珈琲(小平市小川町2-1233-3 当日連絡は電話:042-347-3058)
日時: 日程は、10月25日(日曜日) 14時~16時を予定
参加は自由、どなたでも参加できます・・・ 
(会費はなく、飲食代金は自己負担です)
(問合せ・連絡先 NPO PTPL理事・小平支局長 池田春寿T/F042-346-7268、
メールsahaikeda@nifty.com)
ブログ(2019年迄):http://ameblo.jp/ptpl-haru/
ブログ(2020年から):https://ptplkodaira.seesaa.net/
ともいき暦:http://www.tomoiki.ptpl.or.jp/calendar/2020/
ジャパネスク:http://japanesque.tokyo/
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